焦れ恋オフィス
ベッドでしばらく涙を流しながら、気持ちが浮上するのを待っていると、ドアをノックする音…と同時にドアが開けられた。
泣いている顔を見られたくなくて、枕に顔を埋めた。
「おはよう。気分はどう…って良くなさそうね」
…花凛の声。
心なしか、笑っているような。
そっと枕から顔を上げると、呆れたように私を見ている花凛と、旦那の拓真がベッドの横に立っていた。
大きくなったお腹をかばうように立つ花凛の傍らで寄り添う拓真は、そっと花凛の腰に腕を回して気遣っている。