焦れ恋オフィス
そして、桜が舞っている中で幸せいっぱいに笑顔を向けているその写真が、家族四人で撮った最後の写真となった。

新学期が始まってしばらくすると、母さんは医師として復帰し、もともと会社を経営していた父さん同様家にいる時間がほとんどなかった。

兄さんも大学やらで忙しく、私はお手伝いさん達に面倒をみてもらいながら過ごしていた。

寂しいと感じながらも、それを伝える機会すらないほど会う回数が少ない両親。

その時に、私の我慢と遠慮が際立ってしまう性格ができた…。

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