焦れ恋オフィス

結局、その晩は何度抱かれたのかわからないくらい、激しい熱を注がれた。

一晩中、夏基は私を離そうとしなくて、その強さには何かがあったのかと不安になるほどで、普段とは違うその様子に振り回されながらも、その事が嬉しくもたって。

拒むなんてできなかった。

そして、朝シャワーを浴びながら、体中に咲く赤い花達に気付く。

しばらく消えないな……。

ここまで激しく抱かれたのは、初めてかもしれない。

会社の同期の夏基に抱かれるようになって一年あまり。

いつも大切に、寄り添うように体を重ねてくるけれど、最近の夏基は深く激しく、まるで私を夏基に取り込むように抱いてくる。

もしも。

もしも私達が本当の恋人同士なら、私も同じように応えて、愛される喜びを単純に受け入れるけれど。

所詮夏基にとって私は浮気相手だから。

そして、私にとっても夏基は浮気相手だと、彼は誤解してる。

そんなことない。

私は本気で夏基を愛しているのに。



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