焦れ恋オフィス
「夏芽。お前がここに呼んでくれたんだろ?」

「…」

お腹の赤ちゃんに話しかけるその声は暖かくて優しくて…。

まるで赤ちゃんができた事を喜んでくれてるみたい…。

朝から止まらない涙がまた溢れてくる。

「赤ちゃん…夏基の赤ちゃんだよ…」

頬に流れる涙で笑えない…。
でも…。
言わなきゃ。
夏基の子…って。

私には夏基しかいないって…。
言わなきゃ。

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