焦れ恋オフィス
「…芽依。結婚しよう」

「え…?」

顔を上げると、優しく笑う夏基と目があった。

「くくっ。お前…泣き過ぎ。ぶさいくになってるぞ」

手の平で包むように涙を拭ってもらう…。

そんな夏基の目は穏やかで優しかった…。
そこには夏基なりの固い決意も感じられて、逃げたくても逃がしてもらえないって感じてしまう。

私も、逃げようと一度は決めたけど。
たった二日離れただけで、辛過ぎて…その気持ちは一気に崩れてしまった。
私の中の強さ全てが壊れて、涙ぐんではそれを我慢する…の繰り返ししかできなくなってしまった。
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