焦れ恋オフィス

離れられない




小学校は、歩いて5分の坂の上。

住宅街の中にあるこじんまりとした学校だった。

一年生には少し急な坂を、お友達とゆっくりと歩いて通っていた。
帰りは、坂の途中にあるバス停のベンチに腰掛けて我が家を眺めていた。

お手伝いの伶香さん一人が私の帰りを待ってくれてる家。

時々、大学の授業が休講になったりした時には兄さんが坂の途中まで迎えに来てくれて、その瞬間だけが寂しくなかった。
< 212 / 312 >

この作品をシェア

pagetop