焦れ恋オフィス
夏基の腕の中で目が覚めた。
きつく抱き締められていて、二度と抜け出せないんじゃないかと思うほどに近くに寄り添っていた…。
「起きた?」
頭上から声が聞こえて、上に視線をずらすと夏基と目があった。
「また泣いてたぞ」
「…」
夏基の唇が、私の頬をかすめながら涙を拭ってくれる。
私の背中をぽんぽんとたたいては
『大丈夫』
って囁いて…。
「起こしてごめんね…。」
そう呟いて、自分から夏基の背中に腕を回して抱き付いた。
そして、ホッと安心してから眠りにつくことができる。
夏基のベッドで夏基の腕に包まれて眠る明け方が、私にとっての至福の時…。