焦れ恋オフィス



退院した後、兄さんをはじめ佐伯家も高橋家も当たり前のように私は夏基と結婚する方向で話を進めている。

それぞれに新しい家庭で幸せに暮らしている父さんと母さんは離婚後のほうが仲良くしていて、年に数回両家で集まる事も違和感を感じない。

小さい頃感じていた切なくて寂しい私の想いに気付いていなかったかのような現実が、更に私の過去を悲しい色に染めてしまう。
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