焦れ恋オフィス

「ただいま」

玄関に入ると、奥から芽依が小走りに出て来る。

「お帰りなさい。疲れた？」

「くたくた。このまま立って眠れるくらい」

「あはは…。設計部の若きリーダーだもんね。…無理しないでね」

何気に俺の腕につかまり、嬉しそうに話す芽依がかわいくて、思わず頭を引き寄せた。

お風呂上がりの香りを吸い込みながら唇を重ねると、今日一日の疲れが消えていく。
絶えず抱えている芽依への不安と罪悪感も消えて無くなればいい…。

腕の中で、俺に体を預ける芽依にさらに寄り添って、唇から気持ちを注いでいると、今までの俺の態度が許されるような気がする…。