焦れ恋オフィス
唇をゆっくりと離すと、上気した赤い顔の芽依。

濡れた唇を親指でそっと拭うと、力の入っていない芽依がしがみついてくる。

「くっ…。もう降参?」

「ん…。降参。夏基には最初から負けてるもん…」

「そうだな…。俺にはすぐに反応するもんな」

意地の悪い声で囁く俺の胸に顔を埋めたままで…。

「いてっ」

芽依に足を蹴られた…。

「恥ずかしい事言わないで…」

真っ赤な耳で照れる芽依が愛しくて、ずっと離さないと…そう改めて思った。

そして、

「いいもんやるよ」

リビングへと芽依を連れて行った。
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