焦れ恋オフィス
離れ離れの夜
「…部屋がない…?」
「ごめんね~。堅人の親戚が急に前泊するってやってきちゃったのよね~」
「きちゃったのよね~って…お前…」
「本当、ごめん」
仕事を無理矢理終わらせて飛行機に飛び乗ってやってきた仙台。
ホテルのロビーに着いて、チェックインしようとフロントに向かっていると、背後から懐かしい声が聞こえて振り返った。
「瑶子…」
慌てて俺のもとにやって来る顔を見て、何かあったとはすぐにわかったけれど…。
まさか俺の泊まる部屋がないなんて。
「相変わらずのマイペースだな。よく堅人に捨てられなかったよなあ」