焦れ恋オフィス
それでも何となく付き合っていたのは、他に好きな女がいなかったからだと…今ならわかる。

それは、瑶子にしても同じで。

別れる理由がないから付き合っていた曖昧な状態。

その状態に終止符をうってから半年で、こんないい顔をする瑶子は輝いている。

相変わらずのマイペースだけど…。
堅人はうまく付き合ってるのか…?

ま、うまくやってなきゃ、今日ここにこうしていないんだけど…。

「で、俺は今晩どこに泊まればいいんだ?」

わざと大きな溜息をついた俺に

「ふふん。びっくりするからついて来て」

懐かしい、悪戯っ子の笑みを向けられて、何だか嫌な予感がした…。

エレベーターに乗り込む瑶子の後について行きながら、一日の疲れがどっとわいてきた…。
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