焦れ恋オフィス
「うわっ…」
「どう?気に入った?今晩はこの部屋使ってね」
「使ってねって…俺一人でこんな部屋もったいねえよ」
連れて来られたのは最上階のスィート。
窓から見る夜景に圧倒され、広さに呆然とし、飄々としている瑶子を睨む。
「そんな怖い顔しないでよ。前泊用に押さえてたんだけど、両親が式の前日くらい同じ部屋に泊まれって言うし」
「…」
「まぁ、その気持ちもわかるから、最後の親孝行って事でそうする事にしたの」
へへっと笑う瑶子。
へへっじゃないだろ。
「…じゃ、両親と瑶子がこの部屋に泊まればいいじゃないか」
「あー…」
うーんと言葉を濁す瑶子。