焦れ恋オフィス

最初は成り行きだった。

もともと同期の結束が固くて、しょっちゅうみんなで集まっては飲んでいた。

そんな中で親しくなるのに時間はかからなかった。

しっかりしている芽依は、同期の中でも自然とまとめ役になって、何かと目立っていた。

見栄えは一見冷たい美人。

長身でハイヒールを堂々とはいている姿はモデルのようで。

男ども達の視線をひきつける。

入社前から付き合っている彼女がいた俺にしてもそんな気持ちは同じ。

けれど、見た目とは違って、世話好きで穏やかな性格は同期に限らず社内でも芽依の人気をさらに右肩上がりにしていた。

そして。

密な同期としての枠の中で付き合う日々が三年ほど続き。

俺には彼女が。

芽依には高橋専務という、不倫とはいえ恋人がいたけれど。

かなりの頻度で身体を重ねる関係になった。
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