焦れ恋オフィス
「あー…。結婚するんだけど…」

言葉を濁して天井を仰いでる。
私も女にしては背丈は十分あるけど、それでも利也くんの表情が見えない。

「どうしたの?結婚したくないの?」

何だか嫌な予感がして不安な気持ちを隠そうともせずに聞くと。

「いや。結婚はしたいんだけどな」

ジーンズのポケットに右手を突っ込んで、左手で首の後ろを押さえる格好は、みとれるほどさまになってるけど…。

「何照れてるの?…美乃ちゃんとの事ならとっくに知ってるよ」

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