焦れ恋オフィス
「なぁ、夏基も結婚するんだって?」

ほろ酔い状態の悪友達にも瑶子が結婚するって事で、同情されたりもするけど、俺も結婚が決まってると言うと、ホッと安心したような笑顔を向けられる。

…。ま、仕方ない。

「俺は来週籍入れるんだ」

「そっか…」

隣りに座っている晴壱は、からかうように俺を見ると…

「確かにお前と瑶子が別れた時は、やっぱりってホッとしたよ」

「…」

「お互い本気の片割れじゃないのはわかってたしな」

「…そうだな」

すっと出た言葉が、一瞬晴壱の視線を俺へと向けたけど。

何もなかったかのように…二人して新郎新婦を見ていた。

ウェディングドレスに着替えた瑶子とタキシードの堅人。

後輩達の余興に大笑いしている。

心から大切に思う。

二人とも、幸せにな。
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