焦れ恋オフィス
腕の中で顔を上げると、驚きで赤くなった頬と微かに潤んだ瞳。

そんな芽依をこの腕の中に閉じ込めて、思わず唇を寄せると

「な…夏基だめだよ。みんな見るし」

思いっきり俺の胸をおしやりながら照れてる。

「…。そうだな。深いのはやめて…」

かすめるようにキスをした。

「…っ」

目を大きく見開いて固まる芽依を、ゆっくりと腕の中に戻すと、耳元に口を寄せて

「さ、どうしてここにいるのか言ってもらおうか」

「それは…」

口ごもる様子も愛しくて。腕の力も自然に強くなる…。

理由なんて、どうでもいい。

今こうして一緒にいられる事が…嬉しくてたまらない。
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