焦れ恋オフィス



その晩、芽依に触れる俺の指に反応しては、

「好き…」

と呟く芽依を、思うがまま愛した。

激しく深く愛した事なら何度もあったけれど、芽依の気持ちを疑う事なく、幸せと愛情だけを感じて抱いたのは初めてだ。

広いキングサイズのベッドに沈む芽依の肌は赤く上気していて、荒い息づかいを隠すことなく俺にしがみついてくる。

何度体を重ねても、求めてしまう。
何も纏わない肌に浮かぶ赤い花は、その都度増えていく。

「夏基…もっと…」

と喘ぐ吐息を塞ぐように落とす唇は、それ自体に意思があるように芽依の体中を這う。

「芽依…愛してる」

多分初めて。

心から沸き上がる想いを芽依の唇に吹き込んだと同時に、芽依の体が跳ね上がり、二人して意識の向こうへ飛ばされた。
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