焦れ恋オフィス



体が思うように動かないもどかしさで目が覚めた。

見慣れない部屋の、見慣れないベッドに埋もれている事に気付いて、腰に回された夏基の腕が妙にくすぐったい。

体をずらして夏基に向かい合うと、整った寝顔がやたら近くて照れくさい…。

そっと手を伸ばして、指先で輪郭をなぞりながら見つめていると少しずつ夕べの事が蘇ってくる…。

夏基の腕の中でどれだけ啼いて乱れたんだろう…。
愛されていると心底実感する事で生まれた自信が、求められる以上に求めてしまった。

思い出すだけで体温が急に上がったように熱くなる…。
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