焦れ恋オフィス
シャワーを浴びた後、身支度を済ませた私は、リビングのソファに座ってテレビを見ている夏基をじっと見つめた。
彼に気付かれないようにその横顔を見る事に、嫌でも慣れてしまった。
そうでもしないと、私自身の気持ちが見透かされそうで怖くて。
そっと見つめるだけ。
夏基は、その整った顔立ちと長身で、社内の女性からの人気が抜群に高い。
明るく人見知りしない性格で、色々なお誘いにもフットワーク軽く顔を出す。
女の子に対してはかなり甘くて来る者拒まず。
長く付き合っていた彼女と別れた半年前からは、女の子からの積極的なアピールにも笑顔と軽い優しさで答えながら、適当に楽しんでいるようだ。
本気で怒ってるところも見た事ないな。
彼女に他に好きな人ができて別れた時でさえ、淡々と仕事に励んで、それまでと変わらず、私を抱いていた。