焦れ恋オフィス
ピンポーン

とインターホンが鳴った。

夏芽を抱いたままモニターを覗くと、夏基が立っている。

「お帰りなさい」

「ただいま。夏芽は?」

「ふふっ。ここにいるよ。もう寝ちゃったから静かに入ってね」

「…なんだよ。寝てるのか…」

そう言ってがっくり肩を落とす夏基が愛しい。

「既に夏芽にメロメロな男が一人いるよ」

腕の中ですやすや眠る夏芽が笑った気がした…。
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