焦れ恋オフィス
『高橋専務と寝てるのか?』
と思わず言っていた。
これまでも、芽依を抱きながら高橋専務にはどんな声で啼きながら愛されるのか、どんな表情で愛を囁くのかが気になっていた。
俺が抱く時にはいつも、芽依の体中に赤い花を咲かせて、その花が消えるまでは他の男に愛されないようわざと激しく抱いている。
そして、その赤い花が消える前に次の赤い花を咲かせては俺の欲をぶつけてきた。
そんな俺の荒々しい思いを芽依が拒まないのをいいことに、俺のそんな抱き方はどんどん激しくなっていって。
意識的に、芽依の体を守る事もしないまま抱く時もある。
そう、芽依の妊娠を防ぐ事をしないで抱く事が増えて、それで彼女を繋ぎとめようとしている。
そんな自分に嫌気がさしているのも確かだけれど。
たとえ、芽依への気持ちが俺の一方通行の愛でも、ずっと芽依を俺の側においていたい。
その手段としての妊娠だと、黒い感情に囚われた俺の。
もし俺の子を妊娠したら、お前は俺の側で笑っていてくれるのか?
そうであって欲しいと願うだけの俺は、本当に弱い男だと、嫌気がさす。