焦れ恋オフィス

そして、織田さんが定期的に病院に通う度に思ったのは。

『なんて頑張る気持ちを萎えさせる建物なんだろう…』

病院という、無機質な、何の感情も持たない白い建物に通う度に、気持ちは沈んで。

通えば治るかもしれないけれど、そうではないかもしれないという不安定な気持ちを煽るような治療のつらさに加えて、この建物の外観にうんざりして。

通院するたびに落ち込んでいたらしい。

病院に通う気持ちさえ、右上がりで前向きになれるのならば、通う回数も増えて、妊娠を諦める人が減るかもしれないのに。

病院の建物、内装が患者にとっての、勇気へのちょっとした励ましになるんじゃないか。

そう、

『最後の一押し』

になるんじゃないかと。

思わずにはいられなかったらしい。

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