焦れ恋オフィス

「いえ、多分俺の一方通行です」

慌てながらそう言う俺を、慎也さんは興味深そうに見やると、

「その花は、彼女の強い気持ちだと思うんだけどな」

「……」

相模さんも、何かを思い出しているように、優しく俺を見ている。

そして、

「戸部くんに必要なのは、本当に欲しい物から逃げない事だな。
作品にも、その気持ちはきっと反映されるよ」

「……」

俺は、何も言えず、じっと聞くしかできなかった。

自分自身の黒い心を露わにされてしまったような不安定な気持ち。

これまでの隠していた気持ちとようやく向き合った俺自身に、どうやって折り合いをつけていけばいいんだ?

芽依。

本当に欲しいものは、お前だけなんだ。
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