月と太陽Ⅱ



そんなフェリアを見ながらレオルがニッと笑った。


「私にいい作戦がある」


フェリアが「どんな?」と疑い深そうな顔で言う。


するとレオルが背を向けたまま自信ありげに言った。


「いいか?まずフェリアと私が放れて立っておく。どちらかに猪が突っ込んできたら合図をして知らせる。そして猪が来ない方の者は奴の隙を狙って剣で刺す」


フェリアは警戒しながらも勝ち誇ったかのようにニヤッと笑うと力強い声で口を開いた。


「さすがね、いいわ。それでいきましょう」


レオルもニヤッと笑うと森をジロジロと見て言った。


「一応、衛兵隊長だしな。じゃ、気をつけろよ」


そう言うとレオルはフェリアより四メートル程、放れた所に走っていった。
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