月と太陽Ⅱ
するとレオルはあることに気がついた。
さっき背中に刺さったはずの矢がなくなっている。
しかも傷跡ひとつ残っていないのだ。
「なぜ……」
レオルは不安げに声を漏らしてから気づいた。
"不死身の我を倒す事は出来ぬ"
傷をも回復できるというのか……!
レオルは悔しそうな表情をした。
するとレオルの後ろからヒュッという音がしてまた矢が放たれた。
今度は前足に突き刺さり、猪が悲鳴をあげた。
しかししばらくすると矢が落ちて、刺さった傷がみるみるうちに消えていった。
猪が勝ち誇ったような雄叫びをあげる。