月と太陽Ⅱ
「でもフェリアが…っ」
エセルが心配そうに声をあげた。
するとレオルは何も言わないまま道を引き返した。
おそらく、ちゃんと自分の話を聞いてくれたのだろう。
さっきいた場所(おそらくだが)に戻ると猪はまたもや姿を消していた。
エセルたち二人はキョロキョロと辺りを見渡した。
するとフェリアが四メートル程先にさっきと同じで腕を抑えて膝をついていた。
ポタポタと、赤黒い血が滴り落ちている。
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