月と太陽Ⅱ



すると今度はレオルを狙って突進してきた。


しかしレオルは間一髪のところでそれを避けると疲れた様子で言う。


「これではキリがないぞ。もう時間もないはずだ」


エセルは森を注意して見渡しながら苛立った様子で言う。


「ええ、でも不死身な奴に勝てる策なんてある?」


「ないな」

レオルはフッと笑った。


「でしょ?」


今度はエセルに向かって突進してくる。


「くっ」エセルは前に走って避けようとした。


猪の攻撃は避けられたが、慌てた拍子でそのまま転んでしまった。


急いで立ち上がるとまた森を注意深く見る。


膝は擦りむいただけなので大したことはないのだがこのままでは体力も限界だ。
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