月と太陽Ⅱ



「一つは呪いの魔法。私がかけられていた魔法です。相手を操り、悪に染めてしまう恐ろしい魔法………。

二つ目は永遠の命を得ることができる魔法。

三つ目は命の魔法。自分の命を捨て、死んでしまった者を生き返らせる魔法です」


イヴは重たい口調で恐ろしげに言った。


でもやがて、悲しそうにうなだれた。


「しかし先代の王、イワン様、つまりアイラ様、サイラ様のお父上にあたる方が三つ目にあたる魔法、命の魔法を使ってしまったのです」


その言葉を聞いた三人ははっと息を飲んだ。


王の死に、禁断の魔法が関わっていたなんて……


エセルは緊張でごくりとつばを飲み込んだ。
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