月と太陽Ⅱ
エセルが言った事にサスティンが頷いた。
「これでルートは決まったな。レオルはどのあたりで旅を抜けるんだ?」
そう言って自分を見るサスティンにレオルは「そうだな…」と小さい声をもらした。
そして地図に書いてある川をなぞり、川にかかっている橋のところを指した。
「ユサからアルスの街へ行く途中で、この『王城の橋』と呼ばれる橋へ通じる道とアルスへと通じる道の二つに分かれている大きな分かれ道がある。お前たちはアルスの方角へ私はエメル城へ行くことになる。恐らくその分かれ道でお別れだな」
そう言うとレオルは悲しげに笑った。
そんな彼を見てエセルはうつむき、思った。
そう、レオルはすぐに行ってしまう。
私たちから離れてしまう。
なぜか胸が締めつけられる気がした。