月と太陽Ⅱ




「また家出しようとしたのね?あなたはまだ九歳よ。家を出たところで何もできないわ」


姉がきつい口調で言い寄る。


「大丈夫だよ。ロットやアドリアのうちに行くから。二人も許してくれたし…」


サスティンが必死に訴える。


すると姉は「はあ」とため息をつきながら言った。


「ロッドやアドリアに迷惑でしょう?あなたはいつもあの二人に頼りすぎだわ。二人の気持ちも考えなさい」


「でも姉さん、父さんは姉さんの事ばっかり気にかけて僕の事なんて見向きもしない。僕なんて出て行った方がいいんだ」


小さな少女はすねたように下を向いた。


そんなサスティンの頭に姉はそっと手をおいた。
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