月と太陽Ⅱ
「お前が少しの間、面倒を見てやってくれ。いいな、レオル」
サウラーもレオルと同じことを思ったのだろう。
それを分かった上でレオルに世話役を任せるのだ。
レオルはそんな父の優しさに答えるかのように「はい!」とはっきりとした声で言った。
そして、もう一度レオルは父の隣にいる小さな少女を見た。
絶対にこの子の笑顔を取り戻してみせる。
僕はいつの間にかこの小さな少女と妹を重ねていたのだろう。
繋いだその小さな手はあまりに儚くて……
あの日を思い出しそうになった。