月と太陽Ⅱ

第四夜、届かない想い





「―――!」


エセルは暗闇の中から目を覚ました。


「なんで今ごろあんな夢が……」


起きたばかりのエセルは何が起きたのか分からず、声をもらした。


しかし落ち着くとだんだん事が理解できてきた。


「そうだ、私今日の見張りをしてて急に眠気が襲ってきて――」


そこまで言うとエセルは周りを見渡した。


みんな、無事のようだ。


しかし自分がした事の責任がなくなるというわけではない。


エセルは下を向き、自分を悔やんだ。


すると誰かのうめき声が聞こえた。


エセルは声がした方向を見た。


どうやらサスティンのようだ。

苦しそうな顔をしている。


ほかの二人もそうだった。


何かよくない夢でも見ているのだろう。
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