月と太陽Ⅱ
第六夜、ユサへ
その言葉にエセルとフェリアは凍りついた。
なんとか目を開けてはいるがぐったりしているサスティンを見てエセルは強ばり、声が出なかった。
今日までに治療しなければサスティンが死んでしまう。
そう思うだけでエセルの心は折れそうだった。
村に行ったとしても治療薬があるとは限らない。
そんな不安な気持ちを振り払おうとするようにエセルは首を振った。
太陽は真上にある。
まだ時間はあるはずだとエセルは自分を勇気づけた。
すると自然とペースが速くなっていく。
しかし同じことを考えているのはエセルだけではなかった。
三人はどんどん早足になっていた。