月と太陽Ⅱ




村は活気にあふれていた。


畑にはたくさんの野菜が植えられている。


家は木で作られており、独特の感じがただよっている。


こちらを興味深げに見ながら歩く村人にお辞儀をしながら三人はソフィアのあとをついていく。


しばらくしてエセル達は一番奥にある大きな木の家の前に着いた。


ほかの家に比べて一際大きく、飾りも施されている。


おそらくここが村長の家なのだろう。


コンコン。

ソフィアが家の扉をノックする。


するとすぐに扉が開いた。


中から出てきた男は体が大きくたくましそうだ。


顔の表情から優しそうな感じが分かる。


「ソフィアか。どうし―――」


男の視線がサスティンに止まった。


楽観的な口調から笑みが消え、深刻そうな顔をしながら言う。


「とにかく中に入ってくれ」


そう言って男は扉を押さえ、ソフィア達全員が入ったところで閉めた。


「ありがとう。村長はいらっしゃる?」


ソフィアが聞くと、男は低く落ち着いた声で「こっちだ。ついてきてくれ」と言い、奥へと歩いていく。
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