月と太陽Ⅱ




中は木のいい香りがして落ち着く。


広さは意外と広く、湖や森の絵がかざってあった。


角を曲がると少し広い部屋に出た。


ドアなどはないため大柄な男は姿勢を低くしながら中へ入った。


三人がかがみながら入ると広い部屋の中心に老人が座っていた。


立っている若い女と何か話している。


「なるほど、太陽が…」


女はうなづきながら呟く。


老人は深く落ち着いた声で言う。


「うむ。わしが知っておるのはこれぐらいじゃ。すまぬのう、アイリス殿」
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