月と太陽Ⅱ




「いえ、充分です」


そう言ってアイリスは微笑んだ。


そして一言、「ありがとうございました」と言ってお辞儀をする。


そして振り返って立ち去ろうとするとエセル達に気づき、目を見開いた。


しかしすぐに微笑むと言った。


「頑張ってくださいね」


何かを見透かしたような顔でそう言うとアイリスは部屋を出た。


なぜアイリスがここにいるのか、聞きたいことはたくさんあるが今はそんな事をしている場合ではない。


隣にいた大声が申し訳なさそうに老人に向かって言った。


「ノザ様。ソフィアとこちらの者達がお話があるそうです」


その言葉に気づくと老人はゆっくりと振り返った。
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