月と太陽Ⅱ
第七夜、仲間の命
ノザはエセル達に気がつくと深いしわを刻みながらにこやかに言った。
「すまないのう。気づかなかったわい。ユサにようこそ」
エセルはお辞儀をした。
ノザは不思議そうに続ける。
「ところでどうしたんじゃ。ソフィアまで」
そう言ってソフィアに答えを求めるように彼女を見つめる。
ソフィアはサスティンを心配そうに見ながら言った。
「仲間がさそりに刺されてしまったらしいんです。村長なら治療薬を知っているかと思い、ここに連れてきました」
ノザはソフィアの言葉を聞くとツカツカとサスティンの元へ歩みより、深刻そうな表情で少年の刺された後がある首を見た。
笑顔がすぐに消える。
そして深くうなづくとエセルは達を見て思い口を開いた。
「村に治療薬はない」