月と太陽Ⅱ
第八夜、三人で
エセルたち三人は来た道ではない南の方向へ向かって歩いていく。
いつになく早足で。
一行は焦っていた。
あと半日以内に森に行って薬を取って来れないとサスティンの命は助からないのだ。
こうしている間にも刻一刻と命は削られていく。
そう思うと気が気でなかった。
エセルは思った。
出発する前にソフィアが言っていた言葉。
『あなた方がこれから行く迷いの森という所は、私たちが子供のころから決して行ってはいけないと言われてきた恐ろしい所です。神隠しの森とも言われていて一度入った者は二度とその森からは出られない、と。これは"大いなる戦い"の後から聞かれるようになったそうですよ』
大いなる戦いの後、なにがあったのか……
エセルは考えたが頭が回らなかった。