月と太陽Ⅱ
レオルが言ったことにエセルは深くうなづいた。
「そうかしら、私は感じない」
フェリアがあっけらかんとした口調で言う。
そんなフェリアを見てレオルが優しく言った。
「人それぞれ感じ方は違うものだ。とにかく、これから行く所がどんな所であれ一刻を争う事態だ。行く事に変わりはない」
「ええ」とフェリアは深刻そうな声をあげた。
そんなレオルを見ながらエセルは思った。
サスティンも頼りがいがあり、気配りもしてくれる。
しかしレオルは大人の優しさを持っている。
そして決して取り乱す事ない冷静さも。
まさに衛兵隊長にふさわしい。
エセルは同じ衛兵隊長として尊敬をも感じていた。