月と太陽Ⅱ



「確かにいかにもまぬけな文ね。
誰が書いたのかしら」


フェリアが呆れたように言ってため息をついた。


そんなフェリアをよそにエセルとレオルは真剣な面もちで標識を見つめている。


しばらく見た後、レオルがゆっくりと言う。


「このまま読むと確かにおかしな文だ。しかし"逆立ち"というのはこの文を反対にして読むという事なんじゃないか?」


その言葉を聞いてフェリアがポンと手を叩いた。


「なるほど!じゃあ本当の文は

[わがままなママはライヴ
まわれ!守りの主なまり
不死身の我らを
玉押す事はできらぬ]

ね?
でもまだまぬけな文だと思うわ。
"玉押す"ってどういう事かしら」


三人はまたしても頭を抱えた。


こんな時サスティンがいれば……


エセルは思った。


サスティン程の優秀な頭脳さえあれば、こんな謎も簡単に解けるのに、と。


サスティンは仕事柄もあり、頭をよく使うため、このような謎を解くのは簡単な事だった。
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