月と太陽Ⅱ
第十夜、暗闇の奥へ
エセルたち三人はしばらくその場に立ち尽くした後、左の方向へ曲がり、崖に沿って歩いていた。
崖がすぐ隣にあるのはあまりにも危険な為、だいぶ間を開けて歩いていく。
崖の行き止まりにあった三人はこれからどうしようかという事になったのだが、今はあれこれ考えている暇はなかった。
天井のように光を遮っている木々のせいで今が夕方なのか、昼なのかは分からなかったのだが、かなりの時間が立っていることに違いなかった。
そこで三人はとりあえず崖に沿って左へ行ってみることにした。
崖に沿っていけば、また行き止まりだったとしてもまた来た道を返して今の場所に帰ってくる事ができる。
三人はエセルを先頭に着々と歩みを進めていった。
先程の事があった為、三人共辺りを警戒しながら進んでいた。
森の主がどんな生き物なのかは分からないが、いつ現れてもいいようにレオルは自分の剣に手をおいた。
「二人共、ちょっと待って」
エセルが落ち着いた口振りで立ち止まり、言った。
そして、一本の木に向き直るとしゃがみこんだ。
二人がエセルを不思議そうに見つめる。