月と太陽Ⅱ
三人は立ち上がるとさらに先を歩いていった。
しかし三人は気づいていなかった。
木に立ち止まった事によって、どんどん道をそれて歩いていってしまっている事に。
崖からは遠のいてゆき、見えなくなってもエセルたちがそれに気づく事はなかった。
濃霧で方向がずれていることに気がつけないのだ。
しばらくした後、今度はレオルが声をあげた。
「二人共、またあったようだ」
レオルは道の脇に歩いて一本の木を指差した。
するとそこにはまたも字が彫り込まれていた。