15の君へ~大人になった俺から
ある晩のことだった。突然数人の男達が現れて、家中めちゃくちゃに荒らし始めた。 俺はあっけにとられて見ていた。ちょっとこわそうなお兄ちゃんばっかりだった。
俺はヘラヘラ笑いながら、「なんすか?俺んちに何か?」と言ったとたんボコボコに殴られ、外へ放り出されてしまった。そのまま気が遠くなった。
気がついたら兄さん達に囲まれていた。胸ぐらを掴んで俺にこう言った。
「お前の母ちゃんに金貸してるんだ。この家は借金のカタにもらう。もうお前らのもんじゃねえ。母ちゃんによく言っておけ。」
俺はまた道に転がった。体中が痛くて立てなかった。
あいつらは、俺の家へ入って行った。しばらく気が抜けて道路に転がったまま星空を見ていた。
一人ぼっちだった。そしてこの日から家もなく彷徨い歩く浮浪の民になった。