それ行け!演劇クラブ
「うん。大体キャスティング決まったみたいね。」
台本に演出が銭形、監督に藤林。裏方の大道具小道具に原田と吉田、あとは百地。照明に藤林弟、音響、音楽に加藤。
大体こんな感じだな。
「あっいけない、麗子、アンタこの演劇で姫の妹・・・じゃなかった姉役で出て。」
姫の姉、第1王女でさらわれた妹姫の奪還を3勇士に命じる大事なポジションなのだがどうして紅林なのだ?加藤でもいい気がするんだが・・・。まぁよくよく考えてみたら絢乃ちゃんと紅林、藤林がこのメンツではかなり姫キャラではあるかな。
「なぁ藤林、もう練習しちゃってもいいか?」
高坂のこの質問に
「ゴメン甚。しばらく待ってて」
と返し藤林はケータイを取り出しどこかに電話をかけた。
『あ、大心?今どこほっつき歩いてんの!?とっとと来なさいよ!!3分で来なさい!!!』
そう言い終るやブチッと電話を切った。
それから2分して
「なんなんすかっ・・・。顔出すなって言っといてとっとと来いとかメチャクチャにも程がありますよっ・・・」
吉田がそう言いながら息を切らして来た。
「あら?私に文句でもあるのかしら?」
と言いながら笑顔で吉田の首にタイを巻き付け藤林が続ける。
「それじゃあ今から20分間ちぎれる寸前まで首絞めたげようか?」
そして殺気を全面に押し出して巻き付けたタイで吉田の首を絞め始めた。
「オガッ・・・マ・・・マジすんません。」
吉田のこの一言を聞いたのか藤林は手を放した。
「ゴメンね、甚。もう練習しちゃってもO.K.だよ☆彡」
うわぁ・・・。僕は思う。・・・きっとこのメンバーで藤林を止められるのは誰もいないのだと。どのイレブンも帝国には勝てないように。
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