それ行け!演劇クラブ
握手会、私の手がまのえりの手と重なる瞬間は感動だね。雷夏なんて永久の中の刹那感じちゃってるし。
楽しかったまのえりやみんなとの一時も一応の完結を見せたところ。さあ帰るか。
「おっ、大樹じゃねーか。どっこ行くんだ?」
大心のヤツついてくんのかよ。いつものよーにボテくろうか。いや、案外別の利用価値があるかもだしあえて見逃そうか。
「ねぇ彼女、ちょっとお茶ばせん?」
何このステレオタイプのナンパやろぅは。いつもなら軽くフルヴォッコにしたげるけどちるみの手前そうも行かないし、あ~参ったね。と軽く左手で頭をおさえる。
バスッ
コロコロコロ・・・
ボテッと音を立て倒れ込むナンパやろぅ、近くにはサッカーボールが転がっている。スゴい勢いのシュートが後頭部に精確に当たったみたいだ。でも誰が?修也か?竜吾の線はどうかな?一弥とか士郎も有り得るし。でもそんな可能性はことごとく駆逐された。
ボールには銭形の刻印、そうだ、間違いない。ヤツだ・・・。ヤツがやったんだ!その確信は確かになった。
「んしょっと、毎週練習サボって洋ドラとかイイ身分だねキミら。」
どはっ!愛菜先生だ!実は刑事で雷夏の姉で演劇の顧問とかしてる銭形愛菜!
「ゴートゥーヘェ~ルゥ~!!」
ドラゴンクラッシュばりの豪快シュートが飛んできたぁ!表向きフツーの女子大生でいたいから人前で忍術使いたくないのに。こりゃパンチングしたら痛いよな~。でも、忍術使わんとヤバいよねぇ~。
「ったく、しゃ~ネーナ・トリニティ!忍術らしくない忍術を見せたげる!!」
羽織っぽい服の内ポケットから煙玉を出し煙出して飛んでくるボールの射線軸上から抜け出す。もち大心を身代りにして。
!!!
ウソ・・・!?シュートが煙を切り裂いたっ!でも、私はもう軸上にはいないから問題なし!
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