あたしと僕
あぁコワい…。
魔王子が!!
さっきからシャーペンのキャップの部分で頬をツツかれて地味に痛いなぁー。

「あの…坂口さん?」
「ん?何だい麻美ちゃん?」「その…麻美ちゃんって止めてくれますか?」
「…ん〜気が向いたらね。あと敬語止めてね…少しは大人しく出来ないの?」
小声で耳に囁かれた。
「///耳は反則です!」
何をしてるんだあたしは!自分から弱点をさらしてどうするの!!
「へぇー、麻美ちゃんは耳が弱いのかな?」
「っ!!違います!」
しまった…力みすぎて大きな声を出してしまった…
「どうしたんだ荒川?いきなり、まぁいい、この問題を解いてみろ!」
げっ式の説明!?
苦手だな…。
「えっと…それは…」
ツンツンと腕をツツかれて下を見たらノートにその答えがあった。
その通りに答えたら先生に褒められた。
ふぅ…間一髪。

席に着けば隣は笑いをこらえて口に手をおいていた。

「あんたの所為で危なかったじゃん!!」
小声で坂口に訴える。
「僕の所為?君が大きな声を出したのが悪いんだろ?僕は悪くないよ?それにまた君を助けよ?お礼はどうなるの?」
「う゛っ…それは…」
すっかり忘れてた…。
「何?スッカリ忘れたの?仕方ないね…この後昼休みだし君お弁当でしょ?なら一緒に食べる?それがお礼でもいいけど?」
唯瀬はニヤリと笑う。
「…それは…」
「答はYESかはいだけだよ?」
拒否権がない!!
あたしは仕方がなくはいと言った。
お母さんごめんなさい…世の中を甘く見ていました…。
あたしは時間が来るまで頑張って魔王子の相手をしました。
そんなあたしに拍手を贈りたいよ。
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