3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




同時刻、恭介と喧嘩したまま和解していない香奈子は不良仲間数人とパチンコやスロットでウサ晴らししていた。



「ったく雪村の野郎、人の気持ちも知らないで」



イライラしてる時は余計に当たらない……。



「出ろよ、コノヤロウ!イカレてんじゃねえのか」



パチンコ台を揺すり蹴り上げていると、アナウンス従業員の男が声をかけ香奈子の肩に触れる。



「あ?何だてめぇ気安く触るんじゃねえよ」



「すみませんお客さん、ちょっと表出てもらえますかい」



従業員は香奈子を強引に外に連れ出そうと腕を引っ張る。



「香奈子さん!てめぇ放せよオラァ」



香奈子の危機に仲間も従業員と揉め始め、ふと周囲を見渡すと数十人の野郎に香奈子達は囲まれていた。



「未成年が来ちゃいけないでしょ、おい事務所連れてけ」



あるパチンコ店の営業時間は通常より3時間早く終了した。



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