3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




恭介とミロクはテントから少し離れ、川の近くで話す。



「香奈子が?慌てる様子だったんだろ」



「ヤバい連中って言ってた」


「中学生がパチンコ行くからだよ。キャンプ切り上げて俺達で向かうしかないだろ」



恭介の視線が楽しそうな姿の結衣達に向けられ、ミロクもつられて同じ視線に。


「あんなにはしゃいでるのに中止出来ねえよ。そもそも俺と香奈子の問題が招いた結果だしな、俺一人で行く」



「無茶言うなよ、相手何人居るかわからないし話し合いが通じる連中か……。お前一人じゃ無謀すぎる、喧嘩なんてしたら……」



あくまで皆で助けに行くべきと主張するミロク。



あくまで一人で助けに行くとこだわる恭介。



二人の思いは平行線を辿る。



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