3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




「ミロクは美雪や結衣達を頼む。香奈子をすぐ此処に連れて来るからよ」



「……けどお前」



「二人でこそこそ何話してるわけ」



話に夢中になり佐恵子が背後に近付くのに声で気づいた二人。



「あ、香奈子のお母さん……」



「香奈子がどうかした?」



隠す意味がないので事情を説明した。



「……急ぐわよ、私と恭介くんの二人で向かうからミロクくんは彼女達をお願いね」



「は、はい」



事情を飲み込んだ香奈子ママはジープに勢いよく乗り込み、いざ香奈子の元へ。


ミロクが鞄から取り出した煮干しを助手席に座る恭介に手渡した。



「キレるなよ、プッツンしそうになったら煮干しを口に入れろ」



「サンキュ」



< 115 / 218 >

この作品をシェア

pagetop